亀号が駆けてゆく
人、一人いない
黒光りのカーペットの上を
歌をまき散らしながら
たった一人の聴衆となり
一本の飛行機雲を描きながら
分厚い冬の冷気の壁を
無数の音符が突き抜ける
つかのまのそれを
ささやかな贅沢と呼んでは
いけないのだろうか?
亀号が駆けてゆく
人、一人いない
黒光りのカーペットの上を
歌をまき散らしながら
たった一人の聴衆となり
一本の飛行機雲を描きながら
分厚い冬の冷気の壁を
無数の音符が突き抜ける
つかのまのそれを
ささやかな贅沢と呼んでは
いけないのだろうか?